痛みをやわらげる薬として「解熱鎮痛剤」が一般的に使われます。解熱鎮痛剤にはいろいろな種類がありますが、その中でも最も有名なものが“アセチルサリチル酸”で、100年にもわたって使われています。 解熱鎮痛剤は、頭痛だけでなく歯痛や神経痛、腰痛、筋肉痛、生理痛などを鎮めたり、解熱にも効果を発揮します。では、解熱鎮痛剤がどうして効くのか、その仕組みをアセチルサリチル酸を例に見てみましょう。
痛みや発熱、炎症が起こるメカニズムに“プロスタグランジン”という物質が関係していることがわかっています。この物質は身体の中で作られる一種のホルモンで、血管拡張作用や発熱・炎症に対する作用、子宮の収縮作用など多彩な働きを持っています。 プロスタグランジンは、傷を受けたときなど、身体に何らかの刺激が加わったときに、酵素の作用で“アラキドン酸”という物質が変化して作られます。そして、痛みを強めたり、血管を拡張して炎症を引き起こします。また、プロスタグランジンが脳の「視床下部」というところにある体温調節中枢に作用すると、体温が上昇します。 これに対してアセチルサリチル酸は、酵素の働きを阻害することでプロスタグランジンの合成を抑制する作用を持っています。そのために、痛みや炎症、発熱が抑えられるのです。