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第三回/2002年 21世紀くすり俳句大賞
【選評】
くすりはいのちのためにあり、いのちは輝くためにある。そして、俳句はいのちを見つめ、讃える詩。世界で最も短く、最も充実した詩型である。三回目になる21世紀俳句大賞、今回は第一回、第二回を超える多くの句が寄せられた。力作、秀作ぞろいなことも、前回、前々回と同じだ。
大賞。中村宏汀さん。「頑張つて」と言っているのは母親か先生か、いずれにしても人生の先輩だろう。「頑張ります」と答えているのは受験勉強中の学生か、就職に旅立つ若者か、前途ある年齢の人と思われる。あるいは出産に臨む光景を考えてもいいだろう。励まし、励ましに応える。こういうかたちでいのちは継承されていくのだと思わせる、力強い一句である。
優秀賞。神崎正道さん、空海はそれまでの静の仏教に対する動の仏教、いのちの宗教である真言密教を広めた人。その忌日にその名の由来である空と海のいのちに思いを致したのだ。佐々木かずをさん、珊瑚はもちろん海中動物の集合体、それが満月の夜の海深くいっせいに産卵する。妖しくも力づよい風景である。浅野英男さん、生があれば死があるのは道理、生者は死者を畏れ敬うことによって日々の生を充実させることができる。死を見つめ死者を見つめたこの句もまた、りっぱないのちの一句だ。
佳作、準佳作、入選も佳句がひしめき、順位を付けるのに困った。俳句はいのちの詩として現在進行形なのだ、と大いに励まされた選考作業だった。
◎なお審査員の責任において部分的に添削した作があることを申し添えます。
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【審査員】

高橋睦朗氏 Mutsuo Takahashi

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